ルーブリックづくりの難しさ

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

先日、ある中高一貫校の校長先生、教頭先生とルーブリック作成の意義について話し合う機会がありました。

教頭先生は、先日開かれた私が講師を務めるルーブリックをテーマにしたセミナーにご参加いただき、その意義について十分にご理解いただいたのですが、校長先生がまだ腑に落ちていないということで、学校を訪れてお話をしたのです。

話をしてみると、校長先生も意義をご理解いただいていないのではなく、実務的にどのように作成し、どのように運用していくのかという点で不安があるということのようでした。

私はセミナーの中で、学校としての教育理念をルーブリックの評価規準に落とし込み、それを6年間かけてどのように学習していくのかというカリキュラムづくりとカリキュラム・マネジメントが大切であると伝えました。
一般に、これまでのカリキュラムにおいては、教科の知識・技能をどのように学ぶのかということは、きちんと体系化されていたのですが、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・協働性といった汎用的な資質・能力についてはカリキュラム化されていません。
それを中高一貫6年間分つくり上げるのだと言ったものだから、かなりハードルを上げてしまったのかもしれません。

話していくうちに、まず総合学習のプログラムで使うルーブリックをつくってみるとか、新しい大学入試でも重要な要素になってくる「思考力」や「記述力」についてだけ、6年間の育成ストーリーをつくってみるなど、現実的な解決策も出てきました。

この学校の校長先生の素晴らしいところは、先まで見通して、実際に効果があってきちんと実現できるプランを立てようとされているところです。

始めから壮大なプランを立てる必要はありません。できるところから始めて、徐々に理想の姿に近づけていきましょう。