入試では積み残しを解消できない

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

1月10日から埼玉県の私立中学校の入試が始まりました。首都圏の中学入試はここがスタートで、1月20日から千葉県、2月1日から東京都、神奈川県の私立中学校の入試が始まります。

中学入試では、多くの学校が6割ぐらいの得点率で合格できます。競争性が少ない学校では5割程度でも合格できるところも少なくありません。

ということは、半分の問題は正解できていなくても合格できることになります。
もちろん、どの程度の難易度の問題を出しているかにもよりますし、時間制限がある中で解いているということもあるので、不正解だった問題の分野のすべてを理解していないわけではないと思います。しかし、合格者の多くは、少なからず何らかの小学校範囲の学習に積み残しがあるということは否めません。

実際、入試をくぐり抜けて入学している私立中学校の生徒でも、算数の分数の計算に不安がある、比の概念がちゃんと理解できていないなんていう子はたくさんいます。

でも、多くの学校では、小学校範囲の学習は済んでいることを前提に、当たり前のように中学校の学習内容を教え始めます。これで大丈夫なのでしょうか。
積み残しがあるままでは、どんなに頑張っても積み上がっていかないのではないでしょうか。

近年、多くの大学でリメディアル教育と称して、大学入学時に高校までの学習の復習をしています。これと同じことを私立中学校も行ったほうがいいのではないかと思います。

幸い、最近は、ICTを活用した学習が容易にできるようになりました。先生が生徒一人ひとりの苦手を見極めてプリントを用意して学習させ、採点、チェック、フォローをするのは大変です。それをタブレット端末などに入った(ネットでつながった)学習アプリが簡単に解決してくれます。

生徒はタブレット端末を使ってゲーム感覚で学習を進めます。コンピュータがその子の苦手を判定して適切な学習単元の問題を出していきます。生徒は知らず知らずに苦手を克服していくことができます。
中学校に入学したら、生徒にタブレット端末を購入してもらい、学習アプリを設定して、中1の夏休みまでにリメディアル学習をしてもらうのはいかがでしょうか。

これからの学校でのICT活用は、アクティブ・ラーニングと並んでアダプティブ・ラーニング(個別適応学習)が重要だと思います。生徒一人ひとりの理解度に合わせて学べる学習アプリを活用して着実な学習を目指してはいかがでしょうか。

ということで、受験生には入学後にしっかり学んでもらうことにして、少し甘めに合格させてあげてください。将来性に期待しましょう!