静かの海に還る

こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。

先週末、ニール・アームストロング船長が亡くなった。
そう言っても、若い人はピンとこないかもしれない。
もちろん、宇宙船アポロ11号に乗って、人類初めて月面に降り立った人である。

「僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもうアポロ11号は月に行ったっていうのに」
ポルノグラフィティが歌うように、ずっとずっと前の話である。
かく言う私も、さすがに生まれてはいたが、生で中継映像を見た記憶はない。

時は、高度経済成長期のまっただ中。
お隣の米国のことであったが、日本中が沸いたらしい。
当時、科学の発展が日本の発展そのものだった。宇宙科学の大事業達成は、違う国であっても大きな朗報だったのだろう。
その後、日本は発展を遂げ、技術大国日本の名を欲しいままにした。

科学技術の発展は、夢とビジョンによって牽引される。
「月に行く」というような大きな夢だけではなく、「欧米のように豊かな暮らしをしたい」というような切実な夢で、日本の科学技術は発展を遂げてきた。

日本の科学者は、いま夢を持って研究に勤しんでいるのだろうか。
技術大国日本は、いまや中国や韓国にそのお株を奪われている。

豊かな暮らしを手に入れてしまった今、もっと大きな夢を持たないといけないのかもしれない。
前回、リケジョのことを書いたが、女子だけではない。リケダンもがんばれ!

技術立国日本の復活は教育から。そして、教育現場に必要なのは、夢とビジョンではないだろうか。
アームストロング船長の降り立った「静かの海」を見ながら、夢に思いを馳せてみてはいかがだろうか。


(自宅から見た今夜の月)