絶望の国の幸福な若者たち

こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。

昨日、「絶望の国の幸福な若者たち」の著者である古市憲寿さんのお話を聞く機会がありました。
昨年出版されたこの本は当時話題になりましたが、ご存知でしょうか。

26歳(現在27歳)の若者が書いた若者論ということで注目されたのです。
東大の博士課程に身を置く若手社会学研究者の彼は、「オヤジが語る若者論」ではなく、「若者自身が語る若者論」に挑戦したわけです。

この本は、格差社会や就職難で「不幸」だと思われている若者たちは、調査によると70%が「満足」しているという事実から出発しています。
この幸福な若者たちがどんな考えでどんな行動をしているのかという現実を様々なフィールドワークを通じて論じています。
古市さんは、社会学者の大澤真幸氏の言葉を引用して、今の若者の幸福度が高いのは、今日よりも明日がよくならないと思っているからだと述べています。「今ここが幸せであればいい」という意識なのだということです。
「なんとなく幸せで、なんとなく不安、そんな時代を僕たちは生きていく」というのが彼の出した結論です。

本を読んだ時から、この人は面白いなと思っていたのですが、会ってみるととても興味深いです。

見た目と立ち居振る舞いは正に若者。しかし、言うことは自信に満ちていて歯切れがいい。そしてシニカル。
おじさんから見れば、頭がイイ若者の典型です。私は好きですが、おじさんに嫌われるタイプのような気もします。

私の興味は、若者論を否定的に見るのではなく、現実をきちんと捉えて、教育分野に活かしていくことです。若者の良いところは良い、悪いところは悪いと判断しないと、何も対策は打てません。
その点、古市さんの現実把握力は優れていて、参考になります。

みなさんも、ご一読あれ。