未然に防ぐことはできないのか

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

また、痛ましい大事故が起きてしまいました。山梨県中央自動車道笹子トンネルで起きた天井板崩落事故です。まだ原因は解明されていませんが、現在の報道では、老朽化も一因となっており、不十分な点検が死傷者を出す大事故につながったという推測もあります。

なぜ、このような大事故を未然に防ぐことが出来ないのでしょうか。少し分野が違うかもしれませんが、労働災害の発生確率に「ハインリッヒの法則」というものがあります。1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽微な災害があって、さらにその後ろには、ヒヤリとしたりハッとするような事例が300件潜んでいるというものです。

今回のような大事故の裏には、多くの小さな予兆が見られたのではないでしょうか。それらを見逃さず、十分な対策をとっていれば重大な事故は防げたのではないでしょうか。
いつも思うのですが、このような大事故が起こると、当事者や官庁が対策に重い腰を上げるのが常です。基準やルールを変えたり、対策を強化します。でも、それでは遅過ぎます。大切な命の犠牲の上にルールを築くのでは遅過ぎるのです。

今回も、いま慌てて、同様の構造のトンネルを点検しています。それも必要なことですが、普段から小さな予兆も見逃さず、きちんと点検、マネジメントしておかなければなりません。

もちろん、トンネルだけの問題ではありません。我々が行っていることすべてにリスクは潜んでいます。学校経営にもたくさんのリスクがあります。今日、事故が起きなかったのは、たまたま回避できただけかもしれません。明日は分かりません。
小さな予兆を見逃さず、常に点検、マネジメントするように心掛けましょう。