焦らなくてもいいんだよ

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

松葉杖生活になってから、多くの方に色々なお言葉をいただきます。
先日、ある学校の理事長先生とお会いしました。この先生は、高名なお医者様でもあります。

その日、私は、周りの人々に迷惑をかけないように、できる限り速く進もうと、慣れない松葉杖をパタパタと動かしていました。そんな私を見て、理事長先生がおっしゃいました。

「急がない方がいいよ。怪我は一生続くわけじゃないだろう。たった2ヶ月だ。急いで、別の怪我をしたら元も子もないよ。」

理事長先生は、ただ危ないということだけを忠告したのではありません。私の心の焦りを見抜いていたのです。
怪我をしてからというもの、私は、自分の身体の不自由さにイライラしていました。周りに迷惑をかけるし、自分の思い通りに動くこともできない。パタパタと無理に松葉杖を操るのも、その心の焦りを反映していたのです。

名医は、診察や施術が正確なだけではないのだと気づきました。こうやって、さりげなく心のケアができる医師こそ、名医と言われるのでしょう。

「焦らなくていいんだよ」
そう言われた気がします。怪我をして、ささくれていた私の心が和らぎました。
不便だけど、人の優しさに触れながら過ごすのも悪くないかな、そう思えた一日でした。