アリゲーターガーはアリガータークナイ

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

先週、神戸市須磨区の住宅地の池で、全長1.2m、重さ14kgもある巨大な魚が捕獲されました。名前はアリゲーターガー。名前の通り、ワニのような口を持っており、水鳥や小さなカメでも食べてしまう北米南部に生息する肉食性淡水魚です。

本来、日本にいるわけがない巨大な魚がなぜこんな住宅地の池で見つかったのでしょうか。
観賞用として飼われていたものを飼育しきれなくなって池に捨てたのではないかと言われています。アリゲーターガーは成長すると最大3mぐらいになるものもあるとのことで、さすがに家庭の水槽では飼うことは難しいと思います。成長した時のことを考えずに飼い始めてしまい、もてあましたのでしょう。ペットとして飼っていたのでしょうから、もてあましたからと言って殺してしまうこともできず、良かれと思って、広い池に捨てたのだと思います。


ところ変わって、東京を流れる多摩川が別名なんと呼ばれているか、ご存知ですか?

「タマゾン川」です。
人口が多い東京を流れる都市河川であることから、違法投棄や違法放流も多く、いまでは200種類を超える外来魚が棲みついているといわれています。
日本では見たこともないような魚がたくさん泳いでいるので、「アマゾン川みたい」ということで、タマゾン川。
ふざけている場合ではなく、本当に深刻な問題です。外来種が幅をきかせると生態系が破壊されます。せっかくきれいになって、鮎ものぼってくる川になったのに、一方では生態系が脅かされています。

観賞魚を放流してしまう人の多くは、それほど悪気はないのだと思います。でも、それが実は大きな問題を引き起こしているのです。

こういう問題は環境教育や道徳教育のネタにもなります。子どもが飼っていた観賞魚が飼えないほど大きく育ち過ぎたらどうしますか?
殺してしまう? 違法放流をする?
究極の選択ですね。

そんな時は、「おさかなポスト」を使ってください。飼えなくなった外来魚やカメなどを多摩川に放流させないために、多摩川にほど近い川崎市稲田公園内に、魚やカメの受入れ専用水槽が設置されています。川の生態系を守るために、このような努力をしている人たちもいるのです。

でも、これは最後の選択肢。そうなる前に、よく考えてからペットを飼うようにしましょう。命の大切さを考える機会にもなります。