2100年前の望郷の思い

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

山口県への出張のついでに、弥生時代の遺跡として有名な土井ヶ浜遺跡に行ってきました。「人類学ミュージアム」と名付けられた博物館には、3D映画などもあり、小学生でも分かるような展示がされていました。やはり、教科書で学ぶだけよりも、こうやって体験すると学びは深くなりますね。

圧巻は「土井ヶ浜ドーム」という半円状の屋根がついた横穴住居のような形状をした遺跡発掘時の状態を再現した展示です。土井ヶ浜遺跡は、弥生時代の埋葬地だったようで、人骨が300体も発掘されています。それを再現していますので、人骨ゴロゴロという状態です(もちろん、骨はレプリカですが)。

なぜ、土井ヶ浜には人骨が腐蝕せずに残っているかというと、砂浜に埋葬したため、砂に含まれていた貝殻がカルシウムを補ったためらしいです。

全国で発掘される弥生時代の頭蓋骨を分析すると、何種類かの骨格があるらしいのですが、土井ヶ浜の弥生人は、中国からの渡来人系だと推定されています。

その証拠に、発掘された300体の人骨がすべて顔を西に向けて埋葬されているらしいのです。祖先の故郷である中国の方に向けて埋葬したのだろうと考えられています。
弥生時代には既に大陸とは陸続きではありません。遥々海を渡って来た彼らは何を思って生活をしていたのでしょう。
やはり、故郷が懐かしかったのでしょうか。2100年前からホームシックは始まっていたのですね。



土井ヶ浜人類学ミュージアム


土井ヶ浜ドームには人骨ゴロゴロです