ツートップ戦略は何を露呈させたのか!?

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

この夏、ツートップ戦略で戦いに挑んだーー。

とは言っても、サッカーのことではありません。docomoスマホ販売戦略の話です。
これまでメーカー各社の端末を均等に扱ってきたdocomoは、戦略を変えて、力を入れる端末を限定しました。具体的には、この夏モデルは、ソニーの「Xperia A 」とサムスンの「GALAXY S4」の2機種に、販売報奨金の積み増しをしたり、広告宣伝費の集中投下をしました。つまり、2機種だけをトップにおいて戦ったのです。

この戦略は、iPhoneを擁する他社に対する対抗ということもありますし、他社に比べてスマホ比率が低いdocomoの乗り換え推進戦略とも言われています。

この戦略が成功したかどうかは別として、結果的にdocomoスマホ販売の8割以上がこの2機種に集中することになりました。
そこで何が起こったかというと、この2機種以外のメーカーが憤慨したのです。panasonicsharpの端末の売上は惨憺たるもの。panasonicなどは、「もうdocomoには供給しない」とまで言い出しました。
結局、他社製品も5000円の値引きが出来るようにして、事態の収拾を図るということで落ち着きました。

戦略とは「何をしないか」を決めることです。docomoが2機種以外は優遇しないと決めたのは、偉大な戦略だったと思います。でも、日本的経営慣行の中ではなかなか認められないのですね。日本がグローバル化できない理由がとてもよく分かります。

その上、この問題の中でこんな意見が出たそうです。
「我々日本メーカーを差し置いて、サムソンを優遇するとは何事か!」

グローバル化できない日本人の縮図を見るようです。