真夏の方程式の解法は連立方程式だった

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

参院選で沸いた週末が終わり、ブログでも選挙がらみのことを書かなくてはいけないのかもしれませんが、期待を外して映画の話をしましょう。

週末、福山雅治さんが主役の「真夏の方程式」を見てきました。東野圭吾が大好きで、福山雅治が大好きな私は、ガリレオのTVドラマも欠かさず見ていましたが、とうとう映画も見てしまいました。映画館なんて何年振りだろうというぐらい映画を普段見ない私ですが、福山さんの引力には負けました。

映画の内容はネタバレになるので詳述しませんが、この映画のキーとなるセリフだけご紹介しましょう。

「すべてを知った上で、自分の進むべき道を決めるべきだ」
という湯川教授(福山雅治演じる主役の役名です)のセリフです。

これは、最初、映画のヒロイン役成実(杏さん)に向かって湯川教授が言った言葉です。
美しい海を持つ波璃ヶ浦という場所が映画の舞台なのですが、この波璃ヶ浦で資源開発を行う話が持ち上がります。成実は海の環境を守るために、開発反対派の先頭に立ちます。推進派の説明をまったく聞かずに反対論をまくしたてる成実に対して、湯川がこの言葉を発するのです。
ここでは、科学者としての湯川が、事実をきちんと把握してから判断すべきということを言っただけなのですが、このあとこの言葉が重要な意味を持つ伏線になっています。

この映画は、トリックそのものはビックリするようなものではありません。すごく壮大な仕掛けや派手なアクションもありません。キャストもTVのサスペンスドラマの域を超えていません。でも、やっぱり東野作品にある味わいが感じられる良い作品に仕上がっています。

ところで、映画のストーリーを離れて、この言葉に私は大変共感しました。
私たちが普段行っている教育研究やコンサルティングは、自然科学とは異なり、必ずしも真実の追究が目的ではありません。
あくまで、私たち人間が進むべき道を明らかにすることが仕事です。

コンサルティングであれば、クライアントの学校が進むべき道を明らかにすることをお手伝いしています。そして、そのために関係する事実や関係性などを明らかにすることが仕事です。研究と言ってもとても人間くさい仕事です。

映画の中の湯川教授も、科学的真実しか興味がない固い人に見えますが、よく見ていると、実は人間くさいことが分かります。そのへんが実は面白いのです。

「実に面白い」(ガリレオを見たことのない方へ:これは湯川教授の名台詞です!)というセリフの裏には色々な意味が含まれているのです。

この映画には複数の伏線が張られています。まさに真夏の“連立”方程式ですね!