「ソリュブル」のブランドは定着するか

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

私は、学校コンサルタントをやっていますが、数多く相談を受けるのが生徒募集や広報の分野です。いくら良い教育を行っていても、それが外部に伝わっていなければ、生徒が集まりません。特に、私学は収入の多くを学納金に頼っていますので、生徒数が減ることは経営の屋台骨を危うくします。

広報・生徒募集のコンサルティングでは、広報や募集の方法をアドバイスすることも多いのですが、一方で、学校そのものを魅力的なものとするにはどうするか、という本質的な課題に取り組むこともあります。
そして、私が考えているのは、究極の生徒募集改革は「ブランディング」だということです。ブランディングについて詳細に語ると長くなってしまうので、一言で平易に表現すれば、「ブランディングとは、学校の名前を聞けばそのイメージや価値が正しく伝わるようにすること」だと思います。
ブランディングさえきちんと出来ていれば、広報や生徒募集の方法で苦心することはありません。

話は変わって、昨日、ネスレ日本がインスタントコーヒーの新製品を発表し、これからはインスタントコーヒーと呼ばず、「レギュラー・ソリュブル・コーヒー」と呼ぶと言いました。
http://www.asahi.com/business/update/0829/OSK201308280170.html

どうやら製法が変わって、粉砕したコーヒー豆も入っているので、今までのインスタントコーヒーとは違うという主張のようですが、見た目も入れ方も変わらないので、客観的にみれば、インスタントコーヒーです。
でも、なぜ呼び名まで変えるのかというと、「インスタント」という言葉が持つ「簡単」→「安っぽい」→「美味しくない」というイメージ連鎖を拭い去りたいのだと思います。

このインスタントコーヒー→ソリュブルコーヒーブランディングが成功するかどうかは分かりませんが、メーカーもブランドづくりに大変気を遣っていることがお分かりいただけると思います。

ちなみに、私はインスタントコーヒーは大好きです。もちろん、ドリップコーヒーに比べれば、香りや味の深みなどが足りないことは、味音痴の私にも分かります。でも、あの手軽さは素晴らしいです。

私が大好きなガリレオの湯川先生もインスタントコーヒーを飲んでいるシーンがよく映ります。この合理的なところが好きなんだろうと思っていましたら、こんなシーンがありました。

ある日、何かの賞品で当たったコーヒーメーカーを使ってコーヒーを飲んでいる湯川先生に向かって、インスタントではなく、もっと早くコーヒーメーカーを使っていれば良かったと思うかと聞いたところ、こう答えました。

「いや、それはないな。そいつには大きな欠点がある」
「インスタントコーヒーの味を出せないことだ」