オルセー美術館が学校にやって来る!

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

オルセー美術館ってご存知ですか?
印象派作品を多く所蔵していることで有名なフランスの国立美術館です。多くの方が名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
私は、20年前に一度行ったっきりなのですが、パリに行くならまた行ってみたい場所の一つです。
そのオルセーの所蔵作品を日本でいま展示しているのが、東京・乃木坂の国立新美術館で開催している「オルセー展」です。連日、満員のお客さんで盛り上がっているようです。

そして、いま密かに準備が進んでいる「もう一つのオルセー展」があります。今日はそちらを紹介しましょう。

もう一つのオルセー展とは、東京都江東区の「かえつ有明中・高等学校」を会場に開催される「スクールミュージアム・オルセー・リマスターアート展」です。
8月23日の一般公開に先立ち、今日、内覧をさせていただきました。

このイベントは、「アートを身近に。子どもたちに名画に慣れ親しんでもらおう」を掛け声に、私学妙案研究所が主催し、フランス国立オルセー美術館、アルステクネ、かえつ有明中・高等学校の協力で開催されるものです。

かえつ有明のホールに、マネ、モネ、ルノワールゴッホなどオルセー美術館が所蔵する名画30点が展示されています。
といっても、もちろん本物ではありません。本物だったら、ど偉いことになってしまいます!

展示されるのは、リマスターアートといって、オルセー美術館が世界で唯一認めた、本物と見分けがつかない超高精細復原作品です。
オルセー美術館の作品をスキャニングし、デジタルで再現し、オルセー美術館現地で何度も色校正を行った完全復元作品です。
私も展示された作品を見ましたが、作者の筆さばきや絵の具のタッチ、原画のヒビ割れ状態まで、見事に再現されています。

この美術展の良い点を私なりに挙げますと、
1.誰でも知っているような有名な画家の代表作が見られる。それも原寸大で、本物そっくり。
2.写真撮影OK、ペンライトを当てて至近距離で見ることもOK。ゆっくりと模写をすることもOK。(ペンライト、虫眼鏡、画板や画用紙、色鉛筆の貸し出しあり)
3.アート教育に相応しい視点で作品を並べてあり、絵画の説明も詳しくて分かりやすい(かえつ有明の美術の先生が考えたらしい)。
4.美術の先生から薫陶を受けたかえつ有明の中学生・高校生がやさしくガイドをしてくれる。
5.学校で開催されるので、在校生や保護者の方、学校のご近所の方まで気軽に見られる。
6.入館料は大人500円、高校生以下は無料と格安。
7.会場が空いていて(たぶん)、落ち着いて見ることができる。

いま国立新美術館で開催されているオルセー展を私も見に行きましたが、激混みで落ち着いて見られませんでした。絵画を鑑賞しているというより、人の頭を見ている感じです。それに、オルセー展は、私が知っているような有名な作品はほんの数点です。それと比べると、スクールミュージアムは、ゆったりと名画に触れ合うことができます。素晴らしいことです!

会場を貸す学校の立場から考えると、生徒の情操教育になるだけでなく、地域貢献もできますし、「学校がそこにあることは知っているけれど関係ない存在」と思っている地域の方を学校に招き入れ、身近に感じさせることができるという一挙両得のイベントです。
学校関係者の皆様もぜひこの期間中(8/23〜8/31)にスクールミュージアムをご覧いただくとよいと思います。

「どうせレプリカでしょ」と高をくくっている方!
ぜひ一度ご覧あれ。この再現性にびっくりするはずです。

美術の先生!
本物ではなく、本家オルセー美術館も認めた「リマスターアート」という存在そのものを体験するのもよい経験だと思います。この機会にぜひ!!
スクールミュージアムの紹介はこちら



ルノワールの「ジュリー・マネの肖像」も

身近で見ると、こんなに可愛いんだ。



ゴッホの「ローヌ川の星降る夜」は

近くで見ると、船が波間で揺らぐ感じが伝わってきます。


そして、もっと寄って見ると、波に映る灯りはこんなタッチで描かれているんですね。


在校生、保護者対象の内覧会でも、多くの方が感激していました!