前に進まない。

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

新年度になりました。すべての子どもたちのために、よりよい教育環境を実現できるよう、気持ちも新たに取り組んで参りたいと思います。ご支援いただいているみなさま、今年度もよろしくお願いいたします。

さて、3月26日にこのブログに書きましたが、自民党教育再生実行本部が安倍首相に提出する第1次報告案をまとめました。
その中で、TOEFLを大学受験生に必須にするという提案があり、私はそれを肯定的に評価しました。
しかし、28日、教育再生実行本部の会合が開かれ、異論が続出して、首相への提言が延期される事態になったようです。
産経ニュースによると、「出席者からはTOEFLが米国の非営利団体が運営する試験である点などを問題視する声が上がり、英語よりも日本の歴史が大事だといった異論も続出」したとのことです。

みなさん、これを見てどう思いますか?
議論をすべて聞いていたわけではないので、これだけで判断するのは良くないと思いますが、これが国の将来を議論するために選ばれた方々の意見だとすると、ちょっと情けなくなりませんか。

私も、TOEFLをすべての大学で課すのは難しいと思っています。中堅以下の大学を受験する生徒たちにとっては難し過ぎるのは確かです。
「レベルからいってTOEFL Juniorのほうが適切ではないか」とか「適切なレベルの試験を国内で開発したほうがいいのではないか」という議論ならまだ分かります。
それが「米国の試験だからダメ」とか「英語より日本の歴史だ」ということを言われてしまうと、「どんなに内向きなんだ!」と突っ込みたくなります。
もちろん、日本の歴史は重要です。自国のアイデンティティを持たない人はグローバルにも活躍できません。でも、だからって英語教育と天秤にかけなくてもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

まあ、国の政策レベルで議論しようと思うと、慎重にもなりますし、異論反論がたくさん出るのは仕方ないでしょう。でも、グローバル化は待ったなしで進んでいます。素早い決断で大学改革を進めないといけないと思います。

私学のみなさん、私学であれば、政策の決定を待たなくても出来ることはたくさんあると思います。私学がリードして改革していきましょう!