国際バカロレア(IB)教育フォーラム

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

昨日、玉川大学で開催されたIB教育フォーラムに参加してきました。主に、玉川学園、東京学芸大学国際中等教育学校、IBO(国際バカロレア機構)の方々を中心に、講演やパネルディスカッションが行われました。

玉川学園では、中学校・高等学校で、IBのMYPプログラム、DPプログラムを7年前から採用しており、大学ではIBを教えることができる教員養成プログラムを予定しているようです。また、学芸大国際中等では、これまでMYPプログラムだけを採用してきていますが、この10月に日本語デュアルランゲージ・ディプロマ(DLDP)の申請をしており、早ければ、現在の中2が高2になる時から、DLDPの授業を受けることができるようになると思います。

IBは、安倍政権が日本の高校でディプロマ認定校を200校にする(現在、一条校では6校)という目標を掲げたことで、にわかに注目を浴びています。その意味では、このイベントも時宜を得たものになっています。大学の講堂を埋め尽くす人数の参加者がいました。

といっても、IBが話題になっているのは、教育界のごく一部。一般にはまだ知れ渡ってはいません。IBに対しては、賛否両論というよりは、賛同する人とよく知らない人に二分されているような気がします。

IBの理念は、「多文化に対する理解と尊敬を通じて、平和でより良い 世界の実現のために貢献する、探究心、知識、そして思いやりのある若者の育成を目的として」います。
「世界中の児童・生徒に対し、他の人たちをその違いと共に理解し、自分と異なる人々にもそれぞれ理があり得ることが分かる、行動的で、共感する心を持つ生涯学習者となるよう働きかけています」とプログラムの理念を紹介しています。

この理念自体に反論を述べる人は少ないと思います。私もとても共感します。しかし、この理想を本当に実現できるのか、IBがその近道なのか。IBを導入することで、今までの学校の良さを失うのではないか、日本の大学入試に対応できなくなるのではないか。そこに対する不安や疑念がある人も多いのではないでしょうか。

このフォーラムのサブタイトルが「学習者中心の教育への挑戦」となっているように、子どもたちの学習に焦点を当てて考えなければなりません。そして、教員もまた絶えざる学習者でなければなりません。
パネルディスカッションでも話題になりましたが、IB導入の成否は、教員の育成・確保と学校全体でのIBに対する理解に左右されると思います。

今日は、とりあえずフォーラム参加の報告だけしましたが、「そもそもIBって何?」という読者も多いと思いますので、今後、適宜説明をしていきたいと思います。