ホウレンソウの生みの親

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

元山種証券社長の山崎富治さんが亡くなったとの報道がありました。山崎さんは「ほうれんそう(報告・連絡・相談)が会社を強くする」という経営論の提唱者です。
いまでは、企業などで、当たり前のように報連相の大切さが説かれています。

一般には、部下が上司に対して業務の報告をすること、情報共有・情報連絡を行うこと、困ったことがあった時には上司に相談すること、と部下が上司に行うこととして言われています。

これを誤用すると、上司が「お前は報連相が足らん!」と叱責する道具に使われたりします。

しかし、山崎さんは、風通しの良い会社をつくるための手段として報連相という標語を掲げただけで、報連相を徹底せよ、と言ったわけではありません。
報連相は強要するものではなく、報連相をしやすい組織風土をつくることが大切です。

また、上司が報告を聞く態度が重要で、イヤな情報、喜ばしくないデータでも、きちんと聞かないといけません。都合の悪い情報に対してあからさまな嫌悪の意を示すと、正しい情報、率直な意見が閉ざされることになってしまいます。耳の痛い情報こそ、積極的に集めなければなりません。

私は、この報連相を部下から上司という一方通行ではなく、上司から部下という方向にも適用すべきだと思っています。学校法人の経営情報、管理職だけが得ることができる情報、広い視野で収集した情報など、上から下への情報還流をさせないといけません。
いまは、業務のICT化が進んでおり、いちいち職員会議を開かなくても、電子メールやイントラネットでリアルタイムに報連相することが可能です。もちろん、顔を見て話すべきこともあると思いますが、ICTもうまく活用して、風通しの良い組織をつくってください。

山崎さんは、報連相運動を掛け声だけに終わらせないために、毎月1日を「ほうれんそうの日」として、メッセージを付けて生のホウレンソウを社員全員に配っていたそうです。ポパイのように組織の力の源になるといいですね。