いまこそアクティブ・ラーニングに

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

いま私立中高一貫校で、授業のアクティブ・ラーニング化が進行しています。2020年の学習指導要領改訂では、アクティブ・ラーニングという言葉が正式に登場するのではないかと言われています。また、大学入試改革では、「思考力・判断力・表現力」、「主体性・多様性・協働性」が評価されるということで、それらを養うためのアクティブ・ラーニングがにわかに注目されています。

そもそも日本の教育は知識偏重で、授業スタイルも一方通行型と言われていました(実際にはそうでもないと、私は思っていますが)。
現在のようにグローバル化、高度情報化した世界においては、知識の量ではなく、それをいかに活用するかが重要です。世界に通用する力を身につけるためには、知識偏重主義を捨て、授業スタイルも根本から見直す必要があります。そこで注目されているのがアクティブ・ラーニング、というわけです。

アクティブ・ラーニングには、様々な方法があります。一方的な知識伝達型でなければ全てアクティブ・ラーニングといえるという定義もあるほどです。

これからアクティブ・ラーニングに取り組もうと考えている先生は、まず先行して実践されている方法を学んだ方がいいと思います。そして、それをそのまま真似るのか、自分で工夫して取り組むのかはご自身で判断していただきたいと思います。

アクティブ・ラーニング授業を組み立てるために大切なことは、
1)目的(生徒が身につける力)を明確にする。
2)知識習得と知識活用のバランスを考慮して、授業の流れ(時間配分)を作る。
3)生徒が行う活動のスタイルを決める。
4)教師が生徒にどのように関わるのかを決める。
5)どのようにリフレクション(振り返り)を行うかを決める。
という5点です。

アクティブ・ラーニング授業を組み立てるときに、「ジグソー法がいい」「ピアインストラクションがいい」と、どのようなスタイルにするのか(形式)の議論が中心になりますが、本当に大切なのは、教師が生徒にどう関わるかということです。どんな授業スタイルをとったとしても、教師が“教え込む”関与を続けていれば、ねらった効果は得られません。アクティブ・ラーニングには、コーチング的関わり(質問型)が必要になります。教師の役割は「教える」から「ファシリテートする」に変わらなければ、アクティブ・ラーニングも台無しです。

まず、目的を明確にし、それを実現するためにどんな授業が相応しいのか。その順番で考えていけば、形だけの議論にはならないと思います。あくまでの生徒の学びを中心に考えるべきでしょう。