伝統と革新の両立ーー麹町学園女子中学校・高等学校110周年記念式典

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

本日、麹町学園女子中学校・高等学校の110周年記念式典にご招待いただき出席してきました。

式典は学校内の「大築アリーナ」で、祝賀会はホテルニューオータニで開催されました。
祝賀会では、挨拶、祝辞のほかに、東京都指定無形民俗文化財にもなっている「江戸太神楽(えどだいかぐら)」の曲芸演技もありました。110年続く女子校ですから、集まった卒業生(当たり前ですが全員女性)も大勢いらっしゃって、華やかに盛大にとり行われました。

みなさんは「太神楽」をご存知ですか。
「太神楽」とは、獅子舞と曲芸を中心とした大衆芸能です。曲芸は、例えば、傘の上で鞠や茶碗を回す芸(あの染太郎・染之助で有名な・・・、という例え自体が古い!?)です。「太神楽」は400年の歴史を持つ日本の伝統芸能らしいです。演技をしてくれた「丸一仙翁社中」には麹町学園の卒業生がいる(花仙さん)とのことで、なかなか卒業生の活躍の幅が広いですね。


江戸太神楽」は獅子舞など400年の歴史がある伝統芸能です。

麹町学園は110年の歴史がある伝統校で、丁寧な女子教育で定評がありますが、常に新しいことに取り組む先進的な学校としても有名です。
これまでも、全国でもいち早く『みらい科』と称する本格的キャリア教育を取り入れたり、中1・中2では正担任が2人配置される「2人担任制」で手厚い指導を行ったりと、何かと注目されてきましたが、現在は今年4月に就任した新しい校長先生(山本三郎先生)のもとでさらなる学校改革に取り組んでいます。

来年度の中1からは、タブレットPCなどICTを活用したアクティブ・ラーニング(同校では「思考型授業」と呼ぶ)を取り入れたり、英語の4技能(Reading、Writing、Listening、Speaking)のバランスを重視した授業を展開したり、放課後にはオンライン英会話で外国人との個別英会話時間の確保をしたりと、新しい施策がたくさん用意されています。
また、中3で原則全員が3ヶ月の海外留学をするコースを新設し、グローバル教育にもかなり力を入れているようです。

祝賀会でも、アイルランド大使が祝辞を述べていましたが、中2全員がアイルランドに海外研修旅行に行く計画があるそうです。アイルランド大使館が麹町学園のすぐ隣にあることもあって提携に至ったようです。さすが都心にある学校だけあって地の利も活かしてグローバル教育を展開していますね。


アイルランド大使(写真左)が投げた鞠を太神楽の傘回しで見事キャッチ!

明治38年、まだ女子教育が普及していなかった時代に、女性の自立を目指して、当時は珍しかった女子の普通教育を行う女学校として設立された麹町学園。女性を女性らしく育てる伝統の女子教育の上に立ちながらも、常に新しい時代に合わせた改革の労を惜しまない、とてもハイパフォーマンスな学校です。
アイルランド大使も祝辞の中で言っていましたが、創立200年になっても素晴らしい学校であり続けるでしょう。


110周年記念式典は盛大に行わました(写真は相川理事長先生のご挨拶)