【この学校の校風、特色】灘中学校(兵庫県)

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

全国的にも進学校として名高い灘中学校に行ってきました。
大阪からJR東海道本線で20分ぐらい、神戸の三ノ宮からも10分足らずで最寄駅の住吉に着きます。駅からは歩いて10分です。
昭和の初期に、柔道でも有名な嘉納治五郎の尽力により、また地元の酒造会社である菊正宗、白鶴、桜正宗の寄付により設立されました。なので、中学生は柔道が必修です(飲酒は必修ではありません)。

灘といえば、卒業生の半数が東大か京大に進学するという超進学校です。皆さん、さぞかし勉強ばかりしているのだろうとお思いでしょうが、実際にはそんな雰囲気はありません。

私が感じた校風、特色を3点挙げます。

(1)自由(でも、それが大変…!?)

制服も校則もありません。教頭先生は「なし崩し的校風」とおっしゃっていました。つまり、生徒の自主性に任せて、先生はあまり手を出さないということでしょう。
灘にはブラスバンド部があるのですが、誰も金管楽器木管楽器も持っていません。ある日、練習場所で打楽器が使えるということになり、ドラムを持ち込んだそうです。そうしたら、誰かがギターを持ち込み、ベースを持ち込み、なし崩し的にロックバンドの集合体になったそうです。それでも、顧問が引率して合宿に行くそうです。確かに自由ですね(^_^;)

しかし、自由には自己責任が伴います。説明会資料にある生徒のコメントには、「自由な反面、全て自分が責任をとるという、自己責任の面があり、それは意外と大変でした。(中略)あれしろ、これしろと言われないことが実は結構苦痛だということを、はじめて実感しました」とあります。自由とは言っても放任ではないんですね。
それにしても、中1のコメントとは思えない大人っぽさですね。

(2)生徒の能力の高さ

名古屋や広島から新幹線通学している生徒がいるそうです。また、寮はないものの、近くに下宿して通う生徒もいます。全国から優秀な生徒を集める灘は、やはり一人ひとりの能力が高いようです。また、勉強が出来るというだけでなく、何らかの秀でる力を持っているらしく、生徒同士でお互いをリスペクトしているとのこと。
教頭先生も、「本校の特色は、生徒の能力の高さ、そして生徒同士が励まし合い、助け合うこと」と明言していました。
生徒のアンケートでは、「授業で分からないことが出てきた時どうしますか?」という質問の回答で、「先生に聞く」が14%であったのに対し、「友達に聞く」というのが半数を超えていたそうです。信頼し合う仲間との関係がお互いを高め合っているのだろうと思います。
教頭先生は「なんでやねん。教師に聞け!」と関西弁でおっしゃっていましたが。

(3)レベルの高い授業

生徒の頭の良さは想像を絶するレベルだと思いますが、それでも付いていけない子が出る難しさとスピードで授業が進むようです。
数学は、中2の1学期で中学範囲が終わるとのこと。
中2の1学期って、1年とちょっとでしょ!? それは早過ぎますね。

最後に、もう一つ、中1生徒のコメントを引用します。「この学校の授業には驚かされた。想像以上に難しく、進んだ授業だった。先日、もう高校の教科書が配られたときには、思わず苦笑してしまった。が、それであっても、単に用語を覚えさせる面白みのない授業ではなく、とても個性的で楽しめるものだった。」

「思わず苦笑してしまう」という表現を使う13歳の存在に、思わず苦笑してしまうのは私だけでしょうか・・・。


説明会では、漏れなく「灘中特製せんべい」がもらえます。


グラウンドは人工芝。勉強ばかりしているわけはありませんよ。


校舎をリニューアル工事中。来年4月には綺麗な校舎で学べます。


新校舎建設と同時に創立者嘉納治五郎の像を建てました。


正門前。合格する前に記念写真撮ってどうするんでしょう。御守り!?