中山間地域の公立学校の運命

こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

先週末、静岡県中山間地域にある某公立小学校を訪れました。在校生は6学年で6人。学年によっては在校生がいない複式学級の小規模校です。地域の人口が急速に減っており、隣にあった中学校は2005年に別の中学校に統合されて廃校になっています。同市内では2005年以降に19校の小学校が統廃合になっており、この小学校もいつ統廃合になってもおかしくない状況に追い込まれています。

地域の人々に話を聞くと、「小学校がなくなると地域の火が消えてしまう。絶対に廃校にしたくない」と言います。

林業と農業で家計を支える人がほとんどの山あいの集落。産業が衰退すると人口が減り、子どもも減ります。すると学校の規模が小さくなり、非効率を理由に統廃合になります。そうなると不便さから、若い人たちは、ますますこの集落を離れていくことになります。完全に悪循環に陥っています。

私はこの地域を始めて訪れましたが、なだらかな山と斜面に広がる茶畑と杉林。日本のふるさと、里山の原風景で、とても美しい景色です。
気候も穏やかで、地域に住む人々の性格もとても和やかで優しい人ばかり。いっぺんで大好きになってしまいました。

でも、よく見ると、空き家になっている家もあり、農地が荒れてしまっているところもあります。このままでは、こんなに美しい日本のふるさとが消え去ってしまいかねません。
地域の小学校を守ることがこの地域を守ることにつながります。

産業を復興し、教育を充実し、人口を増やしていくことで、この地域を守らねばなりません。同様に困っている地域が日本全国にたくさんあります。日本のふるさとを守るために、教育の力が使えないだろうか。学校を起点として地域再生ができないだろうか。
とても大きな課題ですが、微力ながら何か考えていきたいと思います。